グロース株は「成長株」とも呼ばれ、企業の売上高や利益の成長性が高く、それゆえ株価の大きな上昇が期待できる銘柄のことです。
グロース株の候補を見つける上で重要となる指標をまとめました。
グロースするには収益力が上がることが重要なので、収益性・効率性関連指標もまとめています。
グロース株(成長株)候補のスクリーニング基準
EPS成長率が大幅に改善している
〇当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示している銘柄(※オニールの成長株発掘法)
もっとも重要。当四半期でEPSが大幅に上昇していること。最初の変化を捉える。
株価=PER×EPSであるから、EPSの上昇が株価を押し上げる大きな要因となる。
〇EPS増加に加えて売上も増加している銘柄
利益上昇の要因を探る。付加価値の高い商品、サービスが売れている。業務効率の改善が行われた(原価率の減少⇒粗利率の上昇)など。
販管費抑制や営業外収益、特別利益など継続性のない利益はダメ。
売上高の増収率20%以上
※増収率20%→売上高が4年で2倍になる
トップラインが伸びることは大事だが、内容はさらに大事。継続性はあるのか?
粗利率が改善している
付加価値の高い商品、サービスが売れている。
長期で数倍になる銘柄→毎年・QonQで粗利率が改善。売上高以上にEPSが成長。(例)EPS1.5倍 PER10→20倍 で3バガー
営業利益率が改善している
※営業利益率(%)=営業利益/売上高×100
・10%以上あれば稼ぐ力のある優良企業とみてよい
・営業利益率が高い銘柄は株価も割高であるケースが多い
・営業利益率が改善する初動を捉える。8%→10%と改善する過程で株価が上昇しやすい
・売上高に販管費が大きく連動しない。売上高↑粗利率↑販管費↗営業利益率↑が理想
ROE
ROEが高いほうが株価は上昇しやすい
※ROE(%)=当期純利益/自己資本×100
※ROEが10%以上であれば収益力が高いといえる。逆に5%以下だと、株主は会社を解散して5%以上で運用できる先に回したほうがよいといえる。
ROA
ROAは5%以上であれば優良と言える。
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
ROAの構成要素が上昇傾向にあるか?
ROA=当期純利益/総資産=当期純利益/売上高×売上高/総資産
売上高利益率=当期純利益/売上高
総資産回転率=売上高/総資産
上記数値が年々上昇傾向にあればROAの上昇につながり、株価の上昇につながる。
ROIC
各種回転率について
総資産回転率
売上債権回転率
棚卸資産回転率
仕入債務回転率
オーナー経営者で筆頭株主
時価総額の上昇(株価の上昇)と経営者の利害が一致しているほうが何かと対策が取られやすい。その点ではサラリーマン経営者よりオーナー経営者のほうが経営に対するモチベーションが高い。
上場5年以内
若い会社のほうがバリュエーションが評価されやすい。
増資や株式分割を行っている →成長性の現れ
・増資のアナウンスで下げた後に買う
・株式分割前に買う(分割後は売りやすくなり売りがでやすい)
自社株買いに積極的か?
株価を上昇させるカタリストがある
・時代に合ったテーマ、新製品や経営の変化による「期待」、長期経営計画による「増益」
・政策の追い風を受けるセクター(DX、クリーンエネルギー、半導体、脱炭素など)
小型株のほうが大きな上昇が期待できる
- 超大型株:時価総額1兆円以上
- 大型株 5000億~1兆 :MSCI採用に採用される下限が多い
- 中大型株 2000億~5000億:海外大規模ファンドの投資ユニバース下限
- 中型株:1000億~2000億:日本の大規模ファンドや大手ヘッジファンドの投資ユニバース下限
- 中小型株:500億~1000億:日本の大中規模ファンドや中堅ヘッジファンドの投資ユニバース下限
- 小型株:100億~500億:日本の中小型株ファンドや小規模ヘッジファンドの投資ユニバース下限
- 超小型株:100億以下:全体の1/3。機関が買わず、日経の上げについていけない
※3倍、5倍を狙うなら当然小さいほうが伸びしろがある。時価総額100億円以下、特に30億円前後
の会社に注目
※先物主導の日経の爆上げ、日経平均採用銘柄に資金が集まる展開だと、中小型株から資金が抜けることがある。超小型株は出来高少なすぎて機関が買えない。
決算説明資料が魅力的な会社
・時価総額、業績を拡大させていく気概を感じる会社
高PERは気にするべきか?
グロース株を探す場合将来の成長性を予測するため、PERの高さは気にしなくてよい。「毎年増収増益を続けている」「今後も増収増益の見込みがある」というデータのほうが重要。
※しかし、高PERの銘柄は将来への期待で株価が上がっているため、成長が鈍化したり業績が悪化すると株価の下落も大きくなる。
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