バリュー株(割安株)を選定するとき、基本となるのがPER、PBRです。
ただ、個別の数値だけみていると判断を誤る可能性があります。
そこで登場するのが下記の関係式です。
PBR=PER×ROE
PBR=PER×ROE の関係になる理由
ROE=当期純利益/自己資本=1株当たり当期純利益/1株当たり自己資本
自己資本≒純資産と考えれば
ROE=1株当たり当期純利益/1株当たり純資産
よって PER(株価/1株当たり当期純利益)×ROE(1株当たり当期純利益/1株当たり
純資産)=PBR(株価/1株当たり純資産)となる
PBRが低くても…?
PBRが1以下の場合、一般的には割安と言われます。
ただこの時、PERとROEの関係性を考える必要があります。
ROEは収益力の高さを表すため、ROEが低いということは稼ぐ力も低いということ。つまり、ROEが低いことでPBRも低くなっている場合、その株価はROEが低いことを反映した妥当な株価とも言えます。
こういった銘柄はROEの低さから割安になっているため、株価の割安感が解消するレベル(PBR1倍)以上の上昇はあまり期待できないといわれています。
低PBR、低PER、高ROE
一方、ROEが高いのにPERが低いことで結果PBRが低い銘柄は、株価が割安に放置されている可能性が高まります。なぜなら、稼ぐ力(ROE)が高いのにPBR、PERがともに低いからです。つまり、収益力の高さが株価にまだ反映されてないと考えられます。
逆に、高PBR、高PER、低ROEの銘柄は、収益力が高くないのに割高であるといえます。つまり、株価が実態より高く買われている可能性が高いです。
ROEが高いと株価が上昇しやすい理由
上記関係式を下記のように変形します。
PER=PBR/ROE
ROEが高くなるとPERが低下します。よって、割安感が高まり株価が上昇します。
ROEは収益力の高さを表すため、グロース株に重要な指標となります。しかし、上記のようにPERが低下することで割安になり株が買われやすくなる、ともいえるのです。
多くの企業がROEの上昇を目標に上げるのにはこんな理由があります。
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